

- COPD になるとどんな症状が出るのですか? 私は、肺活量が自分の年よりも 20歳も若い人と同じくらいだって言われたことがあるくらい、肺活量には自信があります。でも、以前、病院で調べてもらったら、息を吐く力が弱いと言われました。吸う力は平気なのに...。
そういえば、ウォーキングをしたときに10分くらいでハァハァ言ってしまったことがありました。 さっき先生は「COPD は空気の出し入れがしにくくなる病気だ」とおっしゃいましたが、これは COPD と 関係があるんですか?
また、せきやたんが続いて、「風邪をひいているの?」 と言われることも多くなりました。

- 「すぐに『息切れ』を起こしてしまう」、「『せき』や『たん』が続く」というのはいずれも COPD の代表的な症状です。特に、体を動かしたときに苦しいのがCOPD の特徴です。
「息切れ」は老化のせい、「せき」や「たん」は風邪のせいと思われがちなので、COPDに気づくのが遅れる方も多くいます。日本では40歳以上の530万人にCOPDの疑いがあると推定*1されており、決して珍しい病気ではないのですが、実際に治療を受けているのはわずか17万人*2と少ないのが現状です。
*1 Fukuchi Y et al: Respirology. 9: 458-465, 2004 [L20041221021]9
*2 厚生労働省:平成20年患者調査
タバコを吸う方で、風邪をひきやすくなったり、息切れを感じたりした場合は、
COPDを疑って医師に相談してください。


- 「タバコ肺」というのはこわい言い方ですが、どのくらいタバコを吸えば COPDになるんですか? 私は禁煙を始める前、基本的には1日2箱、状況によってはそれ以上吸っていました。緊張するとさらに増えて、意味もなくチェーンスモーキングになっていたんです。吸っては消し、消しては吸ってって。十数万人の前でリハーサルなしで歌わなきゃなんなかったときなんて、それはもう緊張して、出番の前後で1箱以上吸ってしまいました。

- 肺の感受性(病気のなりやすさ)には個人差があるので、何本吸ったら必ずCOPDになるとは言い切れませんが、喫煙量が多いほどCOPDのリスクは高まります。
タバコとCOPDの関連を示す目安として、下記のような計算式があります。
1日に吸うタバコの箱数(1箱20本)×喫煙している年数
この数が1箱(20本)×20年=20の方では約20%が、3箱 (60本)以上×20年=60以上の方では約70%がCOPDという報告もあります*。
和田さんの場合、1日2箱で40年間吸い続けていたとして、2箱 (40本)×40年=80。COPDの危険性が高まる目安をはるかに超えています。
*社団法人 日本呼吸器学会:COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療にためのガイドライン第3版 2009 [L20090803077]
今タバコを吸っている方、過去に吸っていた方で気になる方は、一度、医師、薬剤師にご相談ください。


- タバコをやめないとどんどん病気が進んでしまうというのは本当ですか? 病院に検査を受けに行ったとき、先生から「これ以上吸ってたら、歌手として歌えなくなっちゃうよ!」って言われたんです。そのとき私は歌うこと に特に支障を感じていなかったので、タバコをやめさせるための脅しに違いないと思っていました。「あぁ?」「おぉ?」って適当なリアクションをしながら話半分に聞いていたんですが、
説明をする先生の様子がどうも本気のようで 。「 いやいや本当に危険なんですよ」って 何度も念を押されるうちに、ちょっと不安になってきました。

- 「歌えない」と聞いて、声が出なくなったり息が続かなくなったりすることを思い浮かべたのかも知れませんが、COPDが進行すると呼吸器だけにとどまらず、全身に影響が出てきます。少し動いただけで息切れし、着替えや入浴などの日常生活が困難になります。
また、肺がんや動脈硬化症、心・血管疾患、骨粗鬆症、うつ病なども発症しやすくなります。
その上、せき、たん、息苦しさなどの症状が急激に現れる「COPDの増悪」が起きやすくなります。COPDの増悪を繰り返すとCOPDがさらに進行し、入院を余儀なくされたり、死に至ったりするケースもあります。
COPDが重症化すると、仕事や生活を楽しむことができなくなってしまいます。


>> 身近にひそむCOPD「タバコ肺」 監修:東京女子医大学 第一内科主任教授 永井 厚志 先生 冊子PDFダウンロード 