NPO法人日本呼吸器障害者情報センターJ-BREATHの皆さまにお話をお伺いしました。 Interview “COPD患者さんのための患者会の存在を知ってほしい” “J-BREATHの活動を通じて正しいCOPDの疾患情報を伝えていきたい”そんな想いで、コロナ禍でも積極的に活動やイベントを実施しています。

開催日
20201023
開催場所
公益財団法人 結核予防会

今回は、1.患者さんの家族としてのお立場からみたCOPD、
2.呼吸器専門医として皆さんに知って欲しいCOPD、
3.患者会という立場から皆さんに伝えたいCOPD
という3つの視点で3名の方にお話しいただきました。

このインタビューの内容がすべてのCOPD患者さんに
あてはまるものではありません。
また、患者さんによって適切な治療が異なるため、
必ず医師に相談するようにしましょう。

病院ではどんなCOPDの治療
を受け、どのような変化が
ありましたか?

 病院で診断を受けた頃には主人のCOPDの病状はとても進行していたようで、すぐに在宅酸素療法を始め、お薬も並行して服用することになりました。治療を始めたら、今まで息苦しそうだったのが随分と良くなって、海外へ行ったり、国内でも飛行機で北海道まで行けるようになりました。
 また、病気や患者さんの生活についてよく知りたいと患者会の活動に参加するようになり、私たち夫婦の患者会との繋がりが始まっていきました。当時の事務局長さんから、「遠山さんのような積極的な方がぴったりなので、次の患者会の会長をやりませんか?」と声をかけてもらい、右も左もわからない状態で、患者会の会長を務めることになりました。

 主人の生活は、患者会の活動が中心になっていて、入院していても、「学会へ行かないといけないから」と、無理を言って、工藤先生にも随分とご迷惑をおかけしました。でも、そのぐらい熱心に取り組めることがあったから、主人がお薬や酸素療法を面倒くさがることはなく、私が口を出さなくても、きちんと一人でやれていたのだと思います。

患者会の活動は具体的に
どのようなことをされていま
したか?

 相談窓口を開いて、COPD患者さんがどんなことでお困りかをお伺いすることも、患者会の大切な活動の一つだったのですが、ある患者さんから「かかりつけ医に、別の病院の検診でCOPDと診断されたと伝えたら、先生から “COPDって何ですか?”と聞かれてしまい、先生でも知らない病気なんだと不安になりました」という相談を受けたのです。今でこそ、多くの方にCOPDという病気が知られるようになってきましたが、当時は呼吸器専門医以外は、医師ですら認知されていない病気でした。

 そこで、主人はまず、この病気のことをきちんとメディアに発信して、一人でも多くの人に知ってもらわなければ、当たり前に診断や治療を受けられる環境に変わっていかないと、医師が集まる呼吸器学会の会場に患者会の紹介スペースを設けたり、8月1日を「肺の日」と制定して、記者発表の場をプロデュースしたりしました。

また、在宅酸素療法をしている患者さんから、「孫の運動会に参加してやりたいが、周りの人に奇異な目で見られ、孫が困らないか心配で行ってやることができない。もっと子供達にもCOPDという病気を理解して欲しい。」という意見をもらい、“星になったおじいちゃん”という啓発DVDを作ったのですが、それは20年経った今でも、看護学校の教材として使われているようです。

ご主人から患者会の活動を
引き継がれ、どのようなことに
取り組まれましたか?

 COPDがどんな病気かをしっかり伝えていくことも、もちろん大切ですが、COPD患者である主人が生き生きと、やりがいを持って患者会の活動を続けていたことは、COPDという病気と向き合っていく上でとても大きなエネルギーになっていたと感じています。ですから、患者さん達がCOPDの発症をきっかけにうちに閉じこもってしまうのではなく、気軽に外に出て、他の人との関係性を持ち、そして楽しいと感じられるようなイベントをやりたいと考えました。そして、インターネットで調べたら、LUNG・WALK(ラング・ウォーク)と言って、COPDを中心とした呼吸器疾患の啓発と禁煙の呼びかけを目的にしたウォーキングイベントが、すでに世界の100ヵ所以上で実施されていることを知り、これを日本でも開催しようと思いました。2007年に初めて日比谷公園で開催してから、今年で13年目になりますが、たくさんの方の協力を得ながら続けてこられたことに本当に感謝しています。

COPD患者さんにとって、家族の存在はとても大きな支えになります。ただ、「自分が支えなければ!」と力が入りすぎると、家族も息苦しくなっていくかもしれません。長い治療の道のりを、“一緒に毎日をエンジョイできるパートナーが側にいる”、そんな家族の新しいカタチを患者会の活動を通じて作っていけたらと思っています。

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