Interview 肺がんとCOPD両方の治療により、今は全国を飛び回る生活ができていることが、とてもうれしいです。

このインタビューの内容がすべてのCOPD患者さんに
あてはまるものではありません。
また、患者さんによって適切な治療が異なるため、
必ず医師に相談するようにしましょう。

肺がんとCOPD、
両方の治療に取り組み、
今はどんな生活をされていますか?

 2年前に、今まで勤めていた会社は定年退職をして、週に3日ほど勤務する形態で再雇用していただき今もまだ仕事を続けています。そして、会社に行かないあとの2日は、三重県のがん相談支援センターというところで、がん患者さんの相談員の仕事をしています。この他、三重肺がん患者の会の代表も務めさせていただいて、定年後もほとんど毎日家にはいない状況ですね。9月の末に日本対がん協会が主催するリレー・フォー・ライフという24時間ウオーキングのイベントがあり、その実行委員長をしているので、毎日色々な地域を歩き回っています。また、肺がん患者さんは日本全国にいらっしゃるので、先週は広島での市民公開講座に参加させていただき、明日からは札幌、来月は大阪や富山に行く予定です。リハビリというよりは、こうやって毎日、あちこちに行っていること自体が良いトレーニングになっていると思います。
 これだけやりたいことができている今の生活は、13年前にCOPDと肺がんと一度に診断され、治療をしていた頃にはとても想像できませんでした。
 今は肺がんの経過観察と、それからCOPDの治療を続けるために2~3カ月に1回は病院へ通院して、検査や先生の診察を受けています。肺の状態を丁寧に検査していただけますし、先生とも長いお付き合いになりますので、安心できます。

この先、どんな風に生活が
続けていけるといいですか?

 妻と10年以上前から、西国三十三所巡りを続けているのですが、ある時、階段を一緒に上っていたら、「あれ、あんた何、息切れあんまりしないようになったね」って言われたことがあります。「前は階段を上りながら横でハアハア息切れしていたのに、呼吸が前よりも楽になっているような気がする」って、そう話す妻の言葉を聞いて、COPDの治療は1回や2回ですぐに楽になるものではなく、ずっと続けることに意味があるんだなと思いました。
 今は、孫が8人いて、一番上は小学5年生で一番下は生後6カ月。毎年、入学祝い、出産祝い、七五三のお祝いなどのイベントが続いている状態のため、忘れないように、一番上の子が中学に入学する時に、他の子は小学校を卒業するなど、この先のイベントをパソコンで表にまとめています。

 こんな風に、未来のことを楽しみに考えられるのも、服薬を続けているだけじゃなくて自分らしい生活を続けられているからだと思います。
 だからこれからも肺がん患者さんのサポーターとして、1人でも多くの方のお役に立てるように、全国を飛び回りたいと思います。

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